映画の概要

サマータイムマシン・ブルース (Summer Time Machine Blues)
公開年:2005年(日本公開:2005年)
監督:本広克行
原作・脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
ジャンル:SFコメディ / タイムループ
上映時間:107分
主要キャスト:
- 瑛太(甲本拓馬役)
- 上野樹里(柴田春華役)
- 与座嘉秋(本田浩二役)
- 川岡大次郎(伊藤猛志役)
- 本多力(曽我淳役)
- ムロツヨシ(テニス部マネージャー・石松役)
- 佐々木蔵之介(謎の未来人?役)
──壊れたエアコンのリモコンを取り戻せ! “昨日”へ飛んだら“今日”がバグった!?──
真夏のとある大学・SF研究会の部室。
不注意でエアコンのリモコンを水没させてしまい、猛暑のなか絶望するオタク男子たち。
その時、部室の片隅に突如として謎のタイムマシンが出現──。
「だったら昨日に戻って無事なリモコンを持ち帰ればいいじゃないか!」
喜び勇んで 24 時間前へ飛んだ彼らだが、取るに足らない“ちょっとした改変”が
次第に時空をねじ曲げはじめる。
テニス部の美女・春華のシャワータイム、謎の未来人の出現、そして“昨日の自分たち”との遭遇──。
「リモコンを壊したのは 誰 で、いつ 壊したのか?」
24 時間のタイムループの中で因果がグルグル反転し、“夏休み最大の自由研究”が始まる!
目次
映画のポイント
📌 ① たった1日の〈時間改変〉で世界がバグる!
「エアコンのリモコンを救え」が、夏休み最大のSF事件に
昨日と今日の 24 時間をグルグル巡るだけ――
“小さな動機×壮大な因果”で笑いとスリルを加速。
世界系の危機でもディストピアでもない、等身大オタクの日常SFが新鮮!
📌 ② 1カット1小ネタ!伏線→回収→自虐→再ツッコミの連射
ヨーロッパ企画お得意“時間差ボケ”が中毒性MAX
コーラの缶、ビデオカメラの充電ランプ、部室ホワイトボードの落書き…。
チラ見せしたアイテムが数分後に必ず跳ね返る脚本構造は、
「伏線好き」の快感神経を撃ち抜くこと必至。
📌 ③ 汗ばむ部室・銭湯の扇風機・駄菓子屋…夏のニオイ丸ごと
ロケ地は実在キャンパス+商店街、体感温度までリアル
昼下がりの蝉しぐれ、夕立ちの匂い、昭和型公衆電話――。
“平成の大学”に漂う昭和ノスタルジーが、
タイムマシンのアンティーク感と見事に重なり合う。
📌 ④ 瑛太×上野樹里×ムロツヨシ──今では考えられないフレッシュ布陣
“若手時代の輝き”を一気見できるタイムカプセル
公開当時は全員20代前半。ムロツヨシのクセ強マネージャー、 佐々木蔵之介の謎の未来人など、今見ると宝庫なキャリア初期演技が満載。
📌 ⑤ “理系×日常SF”の先駆けとして再評価沸騰中
『時をかける少女』『僕は明日、昨日のきみとデートする』へ続く系譜
主人公を世界の命運から切り離し、“日常の小事件”で タイムパラドックスを笑いへ昇華したフォーマットは、 2020年代の青春タイムリープ作品に多大な影響を与えたと語られている。
観た人が語る、『サマータイムマシン・ブルース』の魅力
「伏線回収の爽快感がハンパない!」
最初は“???”となる細かいシーンが、ラストに一気に繋がるカタルシスが高評価。
「2回目がいちばん面白い」とリピーター続出!
「真夏のダルさ×青春バカ騒ぎ=エモすぎる」
うだるような暑さと学生ノリが“懐かしすぎる夏”を再現。
「大学時代に戻りたくなる」「暑い午後に炭酸片手で観たい」と共感度MAX。
「豪華キャストの“若すぎる”姿が尊い」
瑛太・上野樹里・ムロツヨシ・真木よう子らの
“初々しさ”に驚く声多数。
「今や大物の彼らの原点を拝めるだけでも価値アリ!」とファン歓喜。
「タイムマシンの“くだらなさ”が最高」
リモコンを取りに“昨日”へ行く──ムダ遣いすぎる設定が逆に新鮮。
「SFをここまで笑いに振り切るセンスが好き」とコメディ派から絶賛。
「夏になると必ず観たくなる中毒映画」
「毎年8月の風物詩」「見るたび新しい発見がある」と
“季節リピート率”が異常に高い一本。
「タイムパラドックスを“真面目にふざけた”邦画の傑作」
綿密なロジックとおバカ演出のギャップが◎。
「『カメ止め』『君の名は。』好きなら必見!」と
映画好きからも太鼓判。
ラストシーン考察|『サマータイムマシン・ブルース』が残した“永遠の昨日”
🌅 2030年の田村が走り去る──〈時間はループ? それとも線?〉
ラスト、夕焼けの河川敷を未来から来た田村が駆け抜けるカットで映画は幕。
〈未来がもう確定している〉のか、「今この瞬間が未来を決める」のか──
観客に“時間の哲学”を委ねるにくい終わり方です。
🔧 顧問=タイムマシン開発者説
エンドロール直前、佐々木蔵之介演じる顧問が
タイムマシンを興味深げに見つめるショットが映る。
〈学生たちのドタバタが未来の発明につながった?〉という
“因果が循環する”示唆がニヤリポイント。
🛠️ “たった一本のリモコン”が描くスペースオデッセイ
本来の目的〈エアコンを直す〉は果たされず、
リモコンは120年の時空旅行へ──。
B級アイテムを壮大な“宇宙規模のオブジェ”に昇華する
脱力系ロマンが『STMB』らしさ。
💑 カメラに刻まれた“ふたりの時間軸”
カメラに残った写真から「田村の母親=涼子」が判明。
つまり“彼の父になるのは誰か?”が観客の想像を刺激。
青春の恋の行方を「この後の余白」に残す粋な設計です。
📖 管理人の考察まとめ
■ 夕焼けの田村=“現在が未来を形づくる”という時間論
■ 顧問ショット=因果が円環するパズルのピース
■ リモコン=「くだらなさ」こそSFの自由度
『サマータイムマシン・ブルース』が最後に渡してくれるのは、
“昨日を語り合う今日”の楽しさ。
スクリーンを閉じたあと、あなたが友達と
「リモコンどうなった?」と笑い合う──
その瞬間こそが、次の時間旅行のスタートです。
この作品を200%楽しむ提案
🍹 ラムネ+ガリガリ君で“溶けそうな午後”を再現
作中のうだる暑さにシンクロするなら、
キンキンに冷やしたラムネとソーダ味アイスで鑑賞!
瓶底を眺めれば、「リモコンまだ直ってない…」と
嘆くSF研メンバー気分に。
🌀 扇風機OFF&サウナモードで体感上映
あえてエアコンを切り、卓上扇風機のリモコンを隠す──。
汗だくドタバタを“体験型イベント”に変換!
終映後にスイッチONする爽快感がたまりません。
🗾 丸亀&善通寺をストリートビュー散歩
香川県丸亀市・善通寺市に点在する撮影ポイントを検索。
河川敷の土手や銭湯跡を探せば、
“聖地巡礼 in 時間ループ”がスタート!
🎧 Tommy heavenly6「LCDD」で夏テンション爆上げ
エンディング曲『LCDD』を皮切りに、
2000年代J-ロック(ASIAN KUNG-FU GENERATION/BUMP OF CHICKEN ほか)をシャッフル。
“真夏×青春ロック”の余韻が途切れません。
⏳ 付箋とヒモで“時間線パズル”を作ろう
紙に<今日><昨日>の出来事を書き、糸で結んで壁に貼り付け。
家族・友人に“矛盾を潰せ!”クエストを出題すると、
映画さながらのタイムトラベル会議が勃発します。
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もしあなたが「時間モノは頭が疲れる」と思っているなら、本作『サマータイムマシン・ブルース』は──いい意味でその固定観念を木っ端みじんに破壊してくれる。
真夏の部室でエアコンのリモコンが壊れた──それだけの理由で“昨日”へタイムスリップするSF研究会。
「歴史が改変される!」「宇宙が滅ぶ!?」とドタバタしながらも、結局は“昨日と今日”のたった24時間しか行き来しない。そのちっぽけさが、かえって「タイムトラベル=日常の隣にあるかもしれない」と錯覚させる魔法になっている。
① “ゆるさ”で骨抜きにしてから、ロジックで仕留める
開幕15分は「グダグダ大学生の日常」が映るだけ。汗だく・だらだら・野球盤──。
ここで観客の脳を“省エネモード”へ誘導しておいて、タイムマシン登場と同時に一気にロジック全開へ。
「ゆるい導入→濃密な中盤」の落差が、2杯目のビールのように効く。
② 10分刻みで“伏線の爆弾”が炸裂する脚本術
伏線は張るのではなく“投げつける”。
● 部室の隅に転がるカメラ ● 浴場の「あなたたちソーセージ?」
● ロッカーに隠れる影 ● 未来人・田村の謎の焦り――
画面に出てくる小ネタが10分ごとに手榴弾のように回収され、観客は爆発音のたびにニヤけるしかない。
③ “SF×舞台演劇”のいいとこ取り
原作は劇団ヨーロッパ企画の戯曲。
本広克行監督は舞台的テンポを維持しつつ、映画ならではの
● 分割画面 ● コマ送り ● 一瞬カメラワーク逆再生
で「時間がねじれる瞬間」を可視化。
低予算ゆえの“発明”が、結果的に2005年邦画の快挙になった。
④ 120年の旅に出る“リモコン”のロマン
物語のキーアイテムは、全国の家に転がっていそうな白いエアコンリモコン。
それが120年をタイムワープし、未来の博物館に展示されうる“遺物”へ昇華。
「大志は持つな、リモコンで十分だ」という逆説が痛快だ。
⑤ キャストの“初々しさ”がもたらすタイムカプセル効果
瑛太・上野樹里・ムロツヨシ・真木よう子──今となっては全員が主役級。
しかし本作の彼らは、汗ばんだ制服と若さが“IQも守備範囲もガバガバな大学生”そのもの。
俳優のキャリアをもタイムスリップさせる〈映像資料〉として、毎夏の再鑑賞が欠かせない。
⑥ “時間は最初から決まっている”という哲学的オチ
「全部、最初から決まっていたのかもしれない」
ラストで涼子がぼそりと漏らす一言が、この青春コメディを一段深いSFへ引き上げる。
観客は「じゃあ無駄なドタバタだった?」と一瞬首をかしげ──次の瞬間、
“無駄なことこそが未来を形づくる”というメッセージに膝を打つ。
⑦ 真夏のだるさ=“うつくしい無為”へのオマージュ
全編に漂うのは、クーラーのない午後に襲ってくる「気怠い熱気」だ。
大学4年間は“人生最大のサマータイム”──という説がある。
■ 時間を浪費しているようで、実は未来への投資
■ ドタバタしながらも、誰かの人生をそっと決めている
タイムマシンが消えたあと残るのは、汗と笑い声と微炭酸の清涼感。
今年の夏、あなたが友達と「昨日に戻れるなら何する?」と語り合う瞬間こそ、
本作が120分かけて起動させた“新しい時間旅行”の始まりだ。