【ネタバレ感想】『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は“観るゲーム”だった|大人が泣く理由と小ネタ解説

アニメ
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー Blu-rayパッケージ
© 2023 Nintendo and Universal Studios

「マンマミーア!」
映画館の椅子に座っていたはずなのに、気づけばコントローラーを握りしめているような感覚。

2023年に公開され、世界中で記録的な特大ヒットとなった映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』。皆さんはもうご覧になりましたか?
私は正直、観る前は少し不安でした。「ゲームの映画化って、だいたいストーリーが改変されて微妙な空気になるんじゃ…」なんて斜に構えていたんです。

ごめんなさい。私が間違っていました。
これはただの映画化ではありません。イルミネーションと任天堂がタッグを組んで作り上げた、90分間の「最高級のアトラクション」であり、私たちゲーマーへのラブレターでした。

今回は、なぜこの映画が大人の心にこれほど深く刺さるのか、その理由と、画面の隅々に散りばめられた小ネタについて、熱く語らせてください!

【この記事の結論】

  • どんな映画?:ストーリーの整合性よりも「ゲーム体験の快感」に全振りした、90分間のノンストップ・アトラクション。
  • おすすめの人:ファミコン〜Switch世代、親子連れ、任天堂の小ネタを探したい人。
  • 合わないかも:重厚な人間ドラマや、複雑な伏線回収を求めている人。

🎬 作品情報:クリエイターとキャストの豪華共演

監督 アーロン・ホーヴァス
マイケル・ジェレニック
脚本 マシュー・フォーゲル
制作 イルミネーション、任天堂
日本公開日 2023年4月28日
上映時間 92分

本作の凄さは、なんといっても「任天堂の宮本茂さんが製作側として関わっている」という安心感です。『ミニオンズ』で知られるイルミネーションの圧倒的な技術力と、任天堂の「マリオらしさ」へのこだわりが融合。これぞまさに、夢のコラボレーションと言えるでしょう。

声優陣も超豪華でしたね!
字幕版のクリス・プラット(マリオ役)やアニャ・テイラー=ジョイ(ピーチ姫役)はもちろん、ジャック・ブラック(クッパ役)の怪演は最高でした。

そして何より吹き替え版! マリオ役の宮野真守さんの「マリオ感」あふれる演技は、違和感ゼロどころか「これが正解」と思わせる説得力がありました。字幕と吹き替え、両方観たくなる仕上がりです。

🎬 あらすじ:ブルックリンの配管工がキノコ王国へ

物語の舞台は、キノコ王国……ではなく、現実世界のニューヨーク・ブルックリン。
配管工として独立したばかりのマリオとルイージの兄弟は、仕事がうまくいかず、元同僚からもバカにされる日々を送っていました。

ある日、ブルックリンの地下で謎の土管を発見した二人は、誤ってその中に吸い込まれてしまいます。
土管を通って辿り着いた先は、魔法に満ちた不思議な世界。しかし、弟のルイージは凶悪なカメ族の大魔王・クッパが支配する「ダークランド」へ、兄のマリオは平和な「キノコ王国」へと、離れ離れになってしまったのです。

ブルックリンの地下で緑色の土管を見つけて驚くマリオとルイージ
AI生成画像のイメージ:全ての始まりはあの緑の土管から

愛する弟を救うため、マリオはキノコ王国の統治者・ピーチ姫や、キノピオ、ドンキーコングたちと協力し、クッパに立ち向かう決意をします。
今、世界を救うための「スーパーマリオブラザーズ」の冒険が始まります!

🎬 感想:ストーリーは薄い?いや、それが最高なんです

感想に入る前に、よく言われる「ストーリーが薄い」「ご都合主義だ」という意見について触れておきましょう。
確かに、本作に『ダークナイト』のような複雑な心理描写や、『インセプション』のような難解な伏線はありません。マリオが強くなる過程もテンポ重視であっという間です。

でも、「それがいい」んです!
スーパーマリオのゲームをプレイするとき、「なぜクリボーは歩いているのか?」なんて深く考えませんよね? 「目の前に穴があるから飛ぶ」「敵がいるから踏む」。この映画は、その直感的な「ゲームの手触り」を映像化することに全振りしています。

だからこそ、理屈抜きで楽しい。この潔い割り切りこそが、本作の勝因だと私は思います。

大人が思わず泣いてしまう3つの理由

では、なぜストーリーがシンプルなのに、いい大人たちが劇場で涙してしまったのか。私の体験をもとに、その「快感の正体」を分析します。

理由①:横スクロールアクションの「映像快感」

個人的に一番グッときたのは、序盤のブルックリンでの移動シーンです。
マリオとルイージが現場へ急ぐ際、画面が真横からのアングル(サイドビュー)になり、障害物を軽快に飛び越えていく……。

「これ、横スクロールアクションだ!!」

ただのファンサービスではなく、カメラワークそのもので「マリオのゲーム性」を表現しているんです。さらに、キノコ王国でのトレーニングコースのシーンも秀逸。何度も失敗して、少しずつ攻略法を覚えていく過程は、まさに私たちがゲームで経験してきた「死にゲー」の感覚そのもの。
「観ているだけなのに、指先が動いてしまう」。この没入感は、映画体験として一段上の快感です。

キノコ王国のトレーニングコースで失敗を繰り返しながら成長するマリオ
AI生成画像のイメージ:何度も挑む姿はゲーマーそのもの

理由②:音楽が”ズルい”(ここでその曲!?)

音楽を担当したブライアン・タイラーの手腕には脱帽です。
壮大なオーケストラの中に、近藤浩治さんが手掛けたお馴染みのゲーム音楽が絶妙にミックスされています。

地上BGM、地下BGM、そして無敵BGM……。「ここぞ!」というタイミングで、あのアノ曲が流れる演出は反則級!
特に、カートバトルの準備シーンで流れる『マリオカート8』のメニュー画面BGMのアレンジ。あれを聴いた瞬間、条件反射でテンションがMAXになったのは私だけではないはずです。

理由③:ピーチ姫とクッパのキャラクター造形

キャラクターの解釈も現代的で素敵でした。
さらわれるだけのお姫様ではなく、アグレッシブにコースを駆け抜けるピーチ姫。「守られるヒロイン」から「一緒に戦うリーダー」へのアップデートは、見ていて痛快です。

そして何より、クッパ!
世界征服を企む極悪非道な魔王なのに、ピーチ姫への愛が重すぎる(笑)。ジャック・ブラックが歌い上げるピアノバラード『Peaches』は、愛嬌と狂気が入り混じった名曲でした。
怖いけど憎めない。このクッパのキャラクターがあったからこそ、最後の決戦も単なる勧善懲悪以上の盛り上がりを見せたのだと思います。

🎬 小ネタ解説:あなたはいくつ気づいた?

この映画、背景の至る所に任天堂ファンへの「目配せ」が隠されています。「ウォーリーをさがせ!」ならぬ「任天堂ネタをさがせ!」状態。
私が気づいたものだけでも相当数ありましたが、特に感動したものをピックアップして解説します。

任天堂作品へのリスペクト(看板・小物)

  • 『パルテナの鏡』:マリオが部屋でプレイしているゲームとして登場。「ヤラレチャッタ」の音まで再現されているように感じました。
  • 『パンチアウト!!』:ブルックリンのピザ屋の店名が「PUNCH-OUT」。店内に飾られた写真も、それらしい演出が仕込まれているように見えます。
  • 『レッキングクルー』:マリオとルイージの元同僚・スパイク(ブラッキー)。ファミコン時代のゲーム『レッキングクルー』のキャラクターを思わせる存在として登場します。

ゲーム再現(技・ショートカット)

ただの映像化ではなく、プレイヤーの「手癖」まで再現しているのがニクイところ!

  • レインボーロードのショートカット:マリオカートでお馴染み、コースからあえて落下して下のコースに着地する「ショートカット技」っぽい動きを映像で再現。
    これには思わず「あるある!」と膝を打ちました。まさか映画でこのズル技(テクニック)を見るとは……(笑)。
レインボーロードを爆走するカートの群れと青い甲羅
AI生成画像のイメージ:あの虹のコースは映画でも美しく、そして危険でした

音ネタ(フレーズ・着信音)

  • ルイージの着信音:ルイージのスマホの着信音は、なんと「ゲームキューブの起動音」に聞こえる演出。通知音などがMiiの音だったりと、効果音ネタは宝庫です。
  • マリオのラップ:冒頭のCMで流れるラップは、かつて海外で放映されていたテレビアニメ版『スーパーマリオブラザーズ・スーパーショー!』の主題歌を思わせるオマージュ。古参ファン感涙の演出です。

これらはほんの一部。背景の看板一つ一つにも、何かしらの意図が仕込まれていそうです。
配信やBlu-rayで観る際は、一時停止推奨ですよ!

🎬 【ネタバレ考察】無敵展開とエンドロール後

ここからは物語の結末に触れます。まだ観ていない方はご注意を!
「あそこで無敵になるのは反則?」という意見への私なりの回答と、エンドロール後に映った「あの卵」について語ります。

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兄弟愛が結実する「スーパースター」の演出

クライマックス、マリオとルイージが「スーパースター」を使って無敵状態になるシーン。
一部では「無敵になって解決するのはご都合主義では?」という声もありますが、私はこれこそが「スーパーマリオの正解」だと断言します。

だって、マリオのゲームにおいてスターは「理屈抜きで敵をなぎ倒せるカタルシス」そのものですから。
ずっと失敗ばかりだった兄弟が、最後に二人でスターを掴み、あのお馴染みの無敵BGMと共にクッパ軍団を蹴散らす。この瞬間のために、それまでの92分間があったと言っても過言ではありません。
物語の整合性よりも、ゲーム的な快感を優先した。その潔さが、この映画を傑作にしました。

エンドロール後の「卵」

エンドロールの後、地下下水道に残された「白と緑の斑点の卵」がひび割れるシーンが映し出されました。
言わずもがな、これはヨッシーの登場を示唆しています!

次回作では、マリオとヨッシーの冒険、あるいは『スーパーマリオワールド』のような舞台が見られるのでしょうか? 期待で胸が膨らみますね。

よくある質問

Q. ゲームをやっていなくても楽しめますか?
A. はい!ストーリーはシンプルかつ王道なので、ゲーム未経験の方やお子様でも問題なく楽しめます。ただ、知っているとニヤリとできる小ネタが満載なので、マリオカートだけでも触っておくとより楽しめます。
Q. エンドロール後に映像はありますか?
A. はい、あります。続編を示唆する重要なシーンが含まれているので、館内の明かりが点くまで席を立たないことをおすすめします。

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