映画の概要

ソウX (SAW X)
公開年:2023年(日本公開:2024年)
監督:ケヴィン・グルタート
脚本:ジョシュ・ストールバーグ、ピート・ゴールドフィンガー
制作:ライオンズゲート / ツイステッド・ピクチャーズ
ジャンル:ホラー / スリラー
上映時間:118分
制作国:アメリカ
主要キャスト:
- トビン・ベル(ジョン・クレイマー / ジグソウ 役)
- ショウニー・スミス(アマンダ・ヤング 役)
- シノーヴ・マコディ・ルンド(セシリア・ペダーセン 役)
- スティーヴン・ブランド(パーカー・シアーズ 役)
- レン・バーニー(カルロス 役)
『ソウX』はシリーズ1作目と2作目の間に起きた出来事を描いた作品。 末期がんを宣告されたジョン・クレイマー(トビン・ベル)は、治療の望みをかけてメキシコを訪れるが、 そこで医療詐欺に遭い、全財産と希望を奪われてしまう。 騙された怒りから、詐欺に加担した者たちに“ゲーム”を仕掛けることを決意。 ジョンはお馴染みのアマンダと共に、罠と復讐の舞台を用意し、極限のサバイバルが始まる。 生き延びるためには自らの罪と向き合い、命をかけた選択を迫られる。
ケヴィン・グルタート監督について
『ソウ』シリーズ1作目から編集を手掛け、 『ソウ6』『ソウ ザ・ファイナル 3D』では監督を務めたケヴィン・グルタートが再びメガホンを取る。 編集経験を生かした緻密なストーリーテリングと、 残虐ながらも人間ドラマを重視する演出が特徴のクリエイターだ。
本作の特徴
- シリーズ原点回帰のソリッド・シチュエーション・スリラー
- ジグソウことジョン・クレイマーの人間性に迫るドラマ
- シリーズ史上最もエモーショナルなストーリー
- 極限まで考え抜かれた新たなデス・トラップ
- アマンダとジョンの“師弟関係”の深化
評価・興行収入
- 全米興行収入:約5,300万ドル(シリーズ中でも高評価)
- IMDbスコア:6.5 / 10
- Rotten Tomatoes:批評家支持率79%、観客スコア90%
- CinemaScore:B(ファン・シリーズ初心者からも好評価)
映画のポイント
📌 ① ジグソウ“ジョン・クレイマー”の人間性に迫る
シリーズ史上もっともエモーショナルなジグソウ像
今回の『ソウX』では、ジグソウことジョン・クレイマーの“人間としての姿”が深く掘り下げられています。 余命宣告を受けたジョンが「希望」を信じてすがった治療先で、残酷な詐欺に遭うという導入は、 彼を単なる“恐怖のゲームマスター”ではなく、哀しみと怒りに突き動かされた人間として描き出しています。
📌 ② 史上最悪の詐欺師たちへの復讐劇
正義と狂気が入り混じるジグソウの“ゲーム”
今回ターゲットとなるのは、ジョンを騙した医療詐欺集団。 彼らは人の命と希望を弄ぶ最悪の存在として描かれています。 ジョンの“ゲーム”は、単なる処刑ではなく「償いの機会」を与えるという、 彼独自の倫理観が反映された拷問劇。 その境界線の曖昧さが観る者に問いを突きつけます。
📌 ③ シリーズ屈指のデス・トラップが続々登場
痛みと恐怖のギミックがアップグレード
『ソウX』では、シリーズお馴染みの“デス・ゲーム”がさらに進化。 肉体と精神を極限まで追い込むトラップは、残虐ながらもロジックがしっかりしており、 「どうすれば助かるのか?」と観客も一緒に考えさせられる仕組みです。
**🔧 主なデス・トラップ例**
– 骨を砕きながら血を抜く拷問装置
– 脳の一部を取り出す自己手術トラップ
– 全身を拘束し、一定時間で破壊される機械
📌 ④ アマンダとの師弟関係がより濃密に描かれる
アマンダ・ヤングの揺れる心理
ジグソウの後継者とも言われたアマンダ・ヤングが再登場。 彼女は“ジグソウの哲学”に忠実でありながら、 ジョンとの関係性に葛藤を抱えている姿が描かれています。 二人の信頼関係や緊張感が、ストーリーのスリルをより一層高めています。
📌 ⑤ シリーズ原点回帰のサスペンスとドラマ
恐怖だけでは終わらない人間ドラマ
『ソウX』は単なるスプラッター映画ではなく、 サスペンス要素と人間ドラマを丁寧に描いています。 観客は誰が生き残るのか、そしてジョンは何を選ぶのか、 ラストまで目が離せません。 シリーズ初心者でも十分に楽しめる構成になっており、 原点回帰しながらも新たな挑戦に満ちた作品です。
視聴者レビュー
「初代最高!」
やっぱり初代ジグソウが一番好きです。プレイヤーをただ殺すわけではなく、1つ1つ意味があるので見ていて気持ちがいいです。伏線回収もばっちりで満足度最高!
「ジグソウに同情してしまう作品でした」
ジグソウの気持ちに寄り添いたくなるストーリー。「ジグソウ、頑張れ」と思いながら観ていました。サスペンス要素や伏線もきっちり描かれていて、シリーズファンには嬉しい展開。
「シリーズの中でもハイレベル」
トビン・ベルの復活は最高!アマンダの登場もシリーズファンにはたまりません。原点回帰の意味合いが強く、過去作へのリスペクトが感じられる作りでした。
「痛々しい描写は健在」
今回も痛々しいゲームが満載。特に「眼球スポポーン」はインパクト抜群。ただし、過去作と比べると残虐さが控えめに感じる場面も。
「水戸黄門がピタゴラスイッチしたらSAWやん」
脳腫瘍を患うジョン・クレイマーが詐欺グループに怒りのデスゲームを仕掛ける!シリーズの不条理さが減り、わかりやすく楽しめる構成でした。
「ジョン・クレイマーあってのSAW」
トビン・ベルが復活してこそのSAW!アマンダも健在ですが、やっぱりジョンの存在感は圧倒的。痛みを伴う解放劇が戻ってきた感じ。
「ラストのどんでん返しは健在」
エンドロール後の追加シーンに驚き!「ゲームオーバー」のセリフはなかったけど、続編に期待が持てる終わり方でした。
「勧善懲悪ではないSAWの魅力」
詐欺師と殺人鬼ジグソウの戦いはどちらが悪なのか曖昧で、モヤモヤ感が残る。ただ、そのドラマ性が深みを増していて、昔より面白く感じました。
「ジョンの人間味が強調された作品」
ジョンが詐欺に騙され、騙された怒りからデスゲームを始める。人間としての弱さや哀しさも感じられ、新しい一面が見えました。
「これぞ真正SAW」
シリーズ原点の精神をしっかり継承。ターゲットの行動を読み切って罠を仕掛けるジグソウの姿に安心感すら覚えた作品でした。
映画の見どころ
🎯 ジグソウの復活と新たなゲーム
『ソウX』は、シリーズ原点に回帰した作品で、ジグソウ=ジョン・クレイマー本人が再びゲームマスターとして登場。 死の運命を背負いながらも、自らの正義を貫こうとするジョンが仕掛ける新たなゲームは、 観る者に「生きる意味」を問いかける。
**🩸 ジグソウのゲームの魅力**
– プレイヤーの罪に合わせた残酷な仕掛け
– 「選択」と「自己犠牲」を問うストーリー
– 原点回帰の緻密な心理戦
🧩 驚愕のトラップと緻密な設定
ソウシリーズと言えばやはりショッキングなトラップ。 『ソウX』でも、観客の想像を超えたグロテスクな仕掛けが次々と登場。 特にオープニングの眼球トラップは、歴代の中でも屈指の衝撃度!
**⚙️ トラップの見どころ**
– 視覚に訴える残酷なギミック
– プレイヤーの心理をえぐる選択肢
– 謎解き要素もある緻密な罠の構造
🔍 ジョン・クレイマーの人間性に迫る
『ソウX』では、単なる殺人鬼ではないジグソウの内面にも焦点が当たる。 脳腫瘍に苦しむジョンが、最後の希望を託した医療詐欺によって絶望し、 「ゲーム」を通じて復讐する姿には、彼なりの倫理観が存在する。
**🧠 ジョンのドラマ性**
– 「命の大切さ」を強調する哲学
– 被害者であり加害者でもある複雑な人物像
– 自分自身も「ゲーム」を生き抜いているという皮肉
⚠️ 二重三重に仕掛けられたどんでん返し
シリーズおなじみのラストの衝撃展開は健在! 全てをコントロールしていたのは誰か? 最後まで真相が見えない巧妙なプロットは、 観る者を思わず「やられた!」と言わせること間違いなし。
**🤯 クライマックスのポイント**
– 二重三重に張り巡らされた伏線
– 誰も予想できない展開の連続
– 最後の「ゲームオーバー」に震える!
🎵 不気味さを倍増させる音楽とサウンド
『ソウX』の緊迫感を倍増させるのが、象徴的なサウンドトラック。 おなじみの「Hello Zepp」のテーマは、 ラストのどんでん返しとともに流れ、シリーズファンのテンションは最高潮に!
**🎶 サウンドの楽しみ方**
– 「Hello Zepp」が流れる瞬間を見逃すな!
– 不穏な音楽と映像のシンクロを堪能
– BGMが生み出す恐怖と緊張を感じ取ろう
🔄 何度でも楽しめる伏線とサプライズ
『ソウX』は、一度観ただけでは気づかない伏線とヒントが満載! 再視聴することで、「あのシーンはそうだったのか!」と新たな発見があり、 見れば見るほど奥深さを味わえる作品に仕上がっている。
**🔁 リピートポイント**
– 最初のシーンから仕掛けられている伏線
– 登場人物の表情やセリフの意味を再確認
– ラストの衝撃展開を知った上での再鑑賞が面白い
『ソウX』は、シリーズ通算10作目という節目にして、 初期の名作『ソウ』や『ソウ2』に回帰したような、 原点の空気感と緻密さを感じさせる作品でした。 過去作をすべて観てきたソウファンとしては、 ジョン・クレイマーが再び主役として登場することに、 期待半分、不安半分だったのですが―― 結論から言うと、これは「傑作」です。
本作の時系列は『ソウ』と『ソウ2』の間。 つまり、ジグソウ=ジョン・クレイマーが まだ生きていた頃の物語です。 末期がんを患い、余命いくばくもないジョンが、 最後の希望をかけてメキシコの“奇跡の治療”にすがる。 しかし、それは巧妙に仕組まれた詐欺だった―― という導入部分から、すでに観る者を物語に引き込みます。
ここで描かれるのは、単なる悪人への復讐劇ではありません。 ジョン・クレイマーという男の「希望」と「絶望」、 そして「信念」が交錯する、 ソウシリーズでも珍しいジグソウの人間ドラマです。 彼の心情に共感できる瞬間が多く、 「ジョン・クレイマーって、ただのサイコパスじゃなかったんだ」 という再認識をさせられる、 そんな感情にさえさせられました。
とはいえ、やっぱり「ソウ」といえば、 目を覆いたくなる過激なトラップの数々。 期待通り、本作でもエグさは健在です。 冒頭の「眼球トラップ」から飛ばしてきますし、 「脳のドリル手術」や 「腸の手術」といったシーンでは、 もう正視できないレベル…。 でも、それがソウの「儀式」ですからね。 どこか「帰ってきたな…」という奇妙な安心感もありました。
特に印象に残ったのは、 やはりラスト30分の畳み掛けです。 騙したはずの人間たちが、実はジグソウの掌の上だった… という展開は、過去シリーズのラストを彷彿とさせます。 「Hello Zepp」のテーマが流れ出す瞬間、 あの緊張感と鳥肌はソウファンにはたまらないご褒美。 そして、最後のゲームを通じて語られるのは、 「お前は自分自身に正直に生きているか?」という、 シンプルでありながらも重いメッセージです。
今回のジョンとアマンダの関係性の掘り下げも秀逸。 アマンダが葛藤しながらもジグソウに従う理由、 そして師匠に対する絶対的な忠誠と人間らしい感情。 これまでのシリーズで語られなかった部分が、 丁寧に描写されていたことが嬉しかったです。 ジョンにとってアマンダは単なる駒ではなく、 人間として大切に思っていた存在だったんだと、 改めて実感させてくれました。
そして、黒幕の意外性―― 「そこ、裏切るんか…!」と驚かされた人も多いはず。 ソウシリーズは「誰がゲームマスターか?」が 常に重要なポイントですが、 今回はわりとシンプルながらも、 その人物の動機と背景がしっかり練られていたので、 ラストにかけての納得感が高い。 ここが手抜きだと台無しになりがちですが、 その点も高評価でした。
ただし…万人向けではありません。 血と肉が飛び散るシーンの連続は、 シリーズ未経験者やスプラッターに耐性のない人には やはりキツいと思います。 でも、それを承知の上で観るなら、 本作は間違いなく「ソウの名に恥じない復活」。 ホラーとしてではなく、 人間の「選択」と「贖罪」をテーマにしたドラマとしても 楽しめるのではないでしょうか。
総じて、『ソウX』は シリーズへのリスペクトと、 ジョン・クレイマーというキャラクターの完成形を 描き切った名作だと思います。 「ジグソウの集大成」ではあるけれど、 これを観てしまったら、 「もっとジグソウを見たい」と思ってしまう… そんな余韻を残すラストでした。
もしあなたがソウシリーズのファンなら、 『ソウX』は間違いなく観るべき作品です。 そして、ジョン・クレイマーが遺した「ゲーム」は、 あなた自身に「本当に生きているか?」と 問いかけてくるはず。 それこそがソウシリーズの真骨頂だと、 改めて思い知らされました。